いくら借りられる?住宅ローンの借入額の決まり方と注意点

こんにちは。48歳、自営業で一家を支える父です。
私はファイナンシャルプランナー2級・証券外務員1種・宅建士の資格を持ち、「お父さんのためのお金講座」として、家計やローン、投資について発信しています。
家を買うとき、まず気になるのが「自分はいくらまで借りられるのか?」という点です。
しかし、“借りられる金額”と“返せる金額”は違うということを理解しておくことが大切です。
今回は、住宅ローンの借入額がどう決まるのか、その仕組みと注意点をわかりやすく解説します。
1. 借入額はどうやって決まるのか?
金融機関は住宅ローンの審査を行うとき、主に次の3つの要素を見ています。
(1)年収
住宅ローンの審査では「年収」が最も重要な基準です。
多くの金融機関では、年収に対して何%まで返済できるか(返済負担率)を目安にしています。
- 銀行ローン:年収の30〜35%以内
- フラット35:年収400万円未満は30%以内、400万円以上は35%以内
たとえば、年収600万円の場合:
→ 年間返済額の上限は180万円前後(月15万円ほど)です。
この金額をもとに、「金利」「返済期間(35年など)」を考慮して、借入可能額が決まります。
2. 借入額のシミュレーション例
以下は、金利1.0%・返済期間35年の場合の目安です。
| 年収 | 借入可能額(目安) |
|---|---|
| 400万円 | 約2,800万円 |
| 500万円 | 約3,500万円 |
| 600万円 | 約4,200万円 |
| 700万円 | 約4,900万円 |
| 800万円 | 約5,600万円 |
※ボーナス返済を含まない一般的な試算です。
金融機関のサイトや住宅ローン比較サイトにある「借入可能額シミュレーター」を使えば、簡単に確認できます。
3. 「借りられる額」と「返せる額」は別物
ここで一番大切なのは、借りられる額=安心して返せる額ではないという点です。
住宅ローンは、長い人で35年という“人生で最長の契約”。
その間に、教育費・老後資金・車の買い替えなど、さまざまな支出が発生します。
そのため、「今の年収で借りられる額」ではなく、
「将来も安定して返していける額」を考えることが大切です。
4. 無理なく返せる借入額の目安
実際に多くのFPが勧める「安全ライン」は、次の通りです。
- 返済負担率は年収の25%以内
- ボーナス返済はゼロまたは10%以内
- 将来の教育費を年100万円程度確保する余裕を残す
たとえば、年収600万円なら、
月12万円以内の返済に収めると家計が安定しやすいです。
この考え方をもとに逆算すると、
借入額は 3,300万〜3,600万円程度 が現実的な目安となります。
5. 返済期間と金利の関係
同じ金額を借りても、「返済期間」や「金利」によって返済総額が大きく変わります。
例:3,000万円を借りた場合
| 金利 | 期間 | 毎月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 35年 | 約85,000円 | 約3,570万円 |
| 1.0% | 25年 | 約113,000円 | 約3,390万円 |
| 2.0% | 35年 | 約99,000円 | 約4,150万円 |
👉 たった1%の金利差でも、総返済額は数百万円の違いになります。
返済期間を短くしたり、金利タイプを慎重に選ぶことで、トータル負担を減らせます。
6. 自営業・フリーランスの場合の注意点
お父さんが自営業や個人事業主の場合、
銀行は「確定申告書の所得金額」で審査をします。
売上ではなく、所得(経費を引いた後の金額)が基準です。
そのため、経費を多く計上している人は、年収が低く見られてしまい、借入額が少なくなることがあります。
👉 審査を受ける1〜2年前から、安定した所得申告を意識しておくとスムーズです。
7. 借入額を決めるときの3つの考え方
(1)「人生3ステージ」で考える
- 子どもが小さい時期
- 教育費がピークになる時期
- 退職・老後
それぞれの時期にどれだけ支出が増えるかを想定しておくと、無理のない返済計画が立てられます。
(2)「貯金がゼロにならない借入額」にする
頭金を出しすぎたり、手元資金を減らしすぎると、
突然の出費に対応できなくなります。
ローンを組むときは、生活費6か月分+緊急資金を残すのが鉄則です。
(3)「将来の金利上昇」をシミュレーションする
変動金利を選ぶ場合は、
金利が1〜2%上がったときに返済がどのくらい増えるかをチェックしておきましょう。
- 現在:金利0.5% → 月8万円
- 将来:金利1.5% → 月9.5万円
- 将来:金利2.5% → 月11万円
このように「想定の幅」を知っておくと、心の余裕が違います。
8. 私の体験談:借入額を抑えて正解だった話
私自身、住宅ローンを組むときに「借りられる最大額」ではなく、「家計が崩れない額」を意識しました。
当初は4,000万円借りられるといわれましたが、最終的に 3,200万円 に抑えました。
結果、教育費が増えても生活に余裕があり、繰上返済も計画的にできています。
“身の丈に合った借入額”を選ぶことが、長期的に見ると一番の安心につながります。
9. まとめ|「借りられる」より「返せる」を重視しよう
今回のポイントを整理すると:
- 借入額は「年収・返済負担率・金利・期間」で決まる
- 銀行が貸す金額と、自分が返せる金額は違う
- 無理のない返済は「年収の25%以内」が目安
- 自営業は「所得額」で審査される点に注意
- 金利上昇や教育費を見据えた計画を立てよう
お父さん、住宅ローンは家を買うための“最大の味方”ですが、使い方を間違えると家計を圧迫します。
「借りられる額」ではなく「幸せに返せる額」を基準に、家族の将来を見据えた計画を立てましょう。







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