年金について第4回:年金だけでは足りない?老後資金2000万円問題の実際

こんにちは。48歳、自営業で一家を支える父です。
私はファイナンシャルプランナー2級・証券外務員1種・宅建士の資格を持ち、日々「老後資金の現実」と向き合ってきました。
数年前に話題となった「老後2000万円問題」。
ニュースで大きく取り上げられ、不安を感じたお父さんも多いのではないでしょうか。
今回は、この「2000万円問題」の意味と、実際にどれくらいの資金が必要なのかを整理してみます。
「2000万円問題」とは?
金融庁の報告書(2019年)で「高齢夫婦世帯では、年金収入だけでは毎月5万円ほど不足し、30年で約2000万円の赤字になる」と発表されたことがきっかけです。
- モデルケース:夫65歳、妻60歳、無職の夫婦
- 年金収入:約21万円/月
- 支出:約26万円/月
👉 毎月5万円の赤字 × 12か月 × 30年 = 約2000万円
この数字が独り歩きし、「老後に2000万円貯めないと生活できない」と広がったのです。
本当に2000万円必要なのか?
実は「2000万円」という数字はあくまで一例。
世帯の収入・支出・ライフスタイルによって必要額は大きく変わります。
年金収入が多い世帯
- 厚生年金+企業年金あり
👉 不足は少なく、2000万円も必要ない場合も
自営業世帯(国民年金のみ)
- 月6.6万円(夫婦で13万円)程度
👉 不足は大きく、2000万円以上必要になることも
つまり「2000万円問題」とは「自分にとっての不足額を把握して準備しよう」という警告なのです。
老後にかかるお金の内訳
老後の生活費は単に食費や光熱費だけではありません。
- 食費・日用品:約12万円/月
- 水道光熱費:約2万円
- 医療費:約1.5万円
- 交通・交際費:約3万円
- 住居費(持ち家なら少ない、賃貸なら高め)
- 介護費用(将来的に必要になる可能性あり)
特に医療・介護費用は年齢が上がるほど増えていきます。
また、住宅ローンが残っている場合はさらに負担が大きくなります。
老後資金の不足を補う3つの方法
1. 支出を抑える
- 住宅ローンを繰上げ返済
- 通信費・保険料を見直す
- 無駄な固定費を削減
2. 収入を増やす
- 定年後も働く「継続雇用」や「再雇用」
- 自営業・副業で収入を得る
- 公的年金の「繰下げ受給」で増額
3. 資産運用を活用する
- つみたてNISAで長期分散投資
- iDeCoで税制メリットを活かす
- 安全資産とリスク資産をバランスよく持つ
我が家の老後資金シミュレーション
私は自営業なので国民年金のみ。
夫婦で受け取れるのは月13万円程度と見込んでいます。
- 生活費想定:20万円/月
- 年金収入:13万円/月
👉 毎月7万円の不足
年間84万円、不足30年で約2500万円。
この不足を補うために、今から iDeCoとつみたてNISAで積立 を行い、同時に生活費のスリム化を意識しています。
「2000万円」をどう準備するか?
不足分を準備する方法は人によって違います。
- 退職金や企業年金がある人は、その分不足が小さい
- 自営業者は「国民年金基金」「付加年金」「iDeCo」で上乗せが必須
- 資産運用をコツコツ続ければ、20〜30年で大きな差が出る
重要なのは「一気に2000万円を貯める」のではなく、
👉 毎月数万円の積立で、長期的に不足分を補う仕組みを作ること です。
まとめ|2000万円問題は「自分の不足額」を知ることから
今回のポイントを整理すると:
- 「2000万円問題」とは平均的な不足額の試算にすぎない
- 必要額は年金収入やライフスタイルによって異なる
- 老後資金は「支出削減・収入確保・資産運用」の3本柱で対策する
- 自営業は不足が大きいため、特に早めの準備が重要
- 大切なのは「自分はいくら足りないのか」を把握すること
お父さん、ぜひ一度「年金見込み額」と「老後の生活費」を計算してみてください。
2000万円という数字に振り回されず、自分の家庭に合った準備 をすることが大切です。
👉 次回(最終回・第5回)は 「お父さん世代が今からできる年金対策と資産形成」 をわかりやすく解説します。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません