年金について第2回:公的年金の仕組み|国民年金と厚生年金の違い

こんにちは。48歳、自営業で一家を支える父です。
ファイナンシャルプランナー2級・証券外務員1種・宅建士の資格を持ち、家計や年金の相談を数多く受けてきました。
前回は「年金制度の基本」について解説しましたが、今回は 公的年金の仕組み を取り上げます。
「国民年金と厚生年金ってどう違うの?」と疑問に思っているお父さんも多いはず。
ここをしっかり理解すると、自分や家族の将来がぐっとイメージしやすくなります。
日本の年金制度は「2階建て構造」
日本の公的年金は「2階建て」になっています。
1階部分:国民年金(基礎年金)
👉 すべての人が加入。全国民共通の基礎となる年金。
2階部分:厚生年金
👉 会社員や公務員が加入。国民年金に上乗せして支給される。
つまり、誰もが国民年金に入り、職業によって厚生年金がプラスされる仕組みです。
国民年金(基礎年金)の仕組み
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。
- 加入者:自営業者、フリーランス、学生、専業主婦(夫)、会社員や公務員も含めて全員
- 保険料:月額16,980円(2025年度・定額)
- 受給開始年齢:原則65歳
- 受給額:満額で年間約80万円(月額約6.6万円)
※40年間(20歳〜60歳まで)保険料を納めた場合に満額になります。
💡 ポイント
国民年金は「最低限の生活を守る」ための年金です。
単独では生活費として足りないため、上乗せの仕組み(厚生年金や私的年金)が重要になります。
厚生年金の仕組み
厚生年金は、会社員や公務員が加入する制度で、国民年金に上乗せされます。
- 加入者:民間企業の会社員、公務員
- 保険料:給与と賞与の約18.3%(労使折半、本人は約9%負担)
- 受給額:現役時代の収入と加入期間に応じて決まる
- 特徴:国民年金にプラスして支給されるため、受給額が多い
例えば、平均年収500万円で40年間働いた場合、老齢厚生年金は月10万円前後支給され、国民年金と合わせて月16〜17万円程度になります。
第3号被保険者(専業主婦・主夫)の制度
厚生年金に加入している会社員・公務員の配偶者(20歳〜60歳で年収130万円未満)は 第3号被保険者 として扱われます。
- 保険料の支払いは不要
- 国民年金に加入していることになり、将来は基礎年金を受給できる
つまり、専業主婦(夫)であっても年金の権利は守られているのです。
自営業と会社員の違い
ここで、自営業(国民年金のみ)と会社員(厚生年金あり)を比べてみましょう。
- 自営業(国民年金のみ)
- 老齢基礎年金:約6.6万円/月
- 上乗せがないため不足分は自助努力で準備
- 会社員(厚生年金あり)
- 老齢基礎年金:約6.6万円/月
- +老齢厚生年金:約10万円前後
- 合計で約16万円/月程度
この差は大きく、自営業の場合は「国民年金基金」「iDeCo」「貯蓄」で補うことが必須になります。
ねんきん定期便をチェックしよう
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」には、自分の年金加入状況や将来の見込み額が記載されています。
- 加入月数
- 納付状況
- これまでの納付額
- 将来の受給見込み額
お父さん、ぜひ一度ねんきん定期便を開いて確認してみてください。
現実の数字を見ると「どのくらい準備が必要か」がはっきりわかります。
まとめ|国民年金と厚生年金の違いを知ろう
今回のポイントを整理すると:
- 日本の年金は「2階建て構造」
- 国民年金は全国民共通、満額で月6.6万円程度
- 厚生年金は会社員・公務員が加入、収入に応じて上乗せされる
- 第3号被保険者制度で専業主婦(夫)も年金を受け取れる
- 自営業は上乗せがないため、自助努力が必須
つまり「どの年金に加入しているか」で、将来の受給額に大きな差が生まれます。
お父さん、自分と家族がどの年金に入っているのか、まずは確認してみましょう。
👉 次回(第3回)は 「年金はいくらもらえる?計算の仕組みと目安」 をわかりやすく解説します。
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