がん保険の誤解|入るべき人・いらない人の違い

こんにちは、49歳の父です。
FP2級・証券外務員1種・宅建士の資格を持っています。
保険相談の中で、最も誤解が多い保険が「がん保険」です。
- 「がん=高額治療=がん保険は必須」
- 「周りが入っているから自分も不安で…」
そう思って加入している方が非常に多いですが、
がん保険は“誰にでも必要な保険”ではありません。
今回は、
がん保険に入るべき人・いらない人の決定的な違いを、
制度・数字・現実ベースで解説します。
■ まず知っておきたい「がん治療の現実」
がん治療というと、
- 高額
- 長期
- 生活が破綻する
というイメージを持つ方が多いですが、
実際は少し違います。
● 医療費は「高額療養費制度」で守られている
日本では、
- 月の医療費自己負担には上限あり
- 所得に応じて負担額が決まる
たとえば、年収370〜770万円の方なら
👉 月の自己負担は約8〜9万円程度が上限
つまり、
がん=医療費で破産
という時代ではありません。
■ がん保険の主な保障内容
がん保険の中心はこの3つです。
- がん診断一時金
- 入院・通院保障
- 先進医療特約
ここで重要なのは、
👉 医療費そのものより「収入減」や「生活費」が問題になるケースが多い
という点です。
■ がん保険に「入るべき人」
では、どんな人が入るべきなのでしょうか。
① 貯蓄がほとんどない人
- 医療費の立替が厳しい
- 数か月の生活費が不安
👉 一時金型のがん保険は有効
② 自営業・フリーランス
- 会社員のような傷病手当金がない
- 収入が止まるリスクが高い
👉 医療費より「生活費補填」としての意味が大きい
③ 家計がまだ安定していない若い世代
- 子どもが小さい
- 貯蓄形成がこれから
👉 期間限定で最低限入るのは合理的
■ がん保険が「いらない人」
一方で、次のような人は慎重に考えるべきです。
① 十分な貯蓄がある人
- 医療費を自己資金でカバーできる
- 生活費も半年〜1年分ある
👉 がん保険の必要性は低い
② 会社員で保障が厚い人
- 健康保険
- 傷病手当金
- 高額療養費制度
👉 公的保障だけでもかなり手厚い
③ 老後資金が不安なのに保険料を払いすぎている人
- 月5,000円〜1万円以上のがん保険
- 何十年も払い続ける設計
👉 老後資金を削っている可能性あり
■ よくある「がん保険の誤解」
誤解①
がん=必ず高額治療
→ 制度を使えば自己負担は限定的
誤解②
先進医療=必須
→ 実際に使う確率は低く、治療効果も未知数
誤解③
一生入っておくべき
→ 年齢・貯蓄状況で必要性は変わる
■ がん保険を考えるときの正しい順番
FPとしておすすめする順番はこれです。
- 貯蓄額を把握
- 公的保障を理解
- 足りない部分だけ保険で補う
👉 保険ありきで考えないこと
■ がん保険に入るなら「シンプル」が正解
もし入るなら、
- 診断一時金型
- 掛け捨て
- 保険料は月1,000〜3,000円程度
これで十分なケースがほとんどです。
■ 実体験から感じたこと
私自身も、
若い頃は「不安だから」と保険を足していました。
でも、
知識が増えるほど分かったのは、
👉 不安は保険ではなく、理解で減る
ということです。
■ まとめ|がん保険は「必要な人だけ」が正解
最後にまとめます。
- がん保険は万能ではない
- 公的保障を理解することが最優先
- 不安の正体を見極める
がん保険は、
入ることが正解でも
入らないことが正解でもない
自分の状況に合っているかどうかがすべてです。
父として伝えたいこと
「みんなが入っているから」ではなく、
「自分の家計に本当に必要か」を考えること。
それが、
老後資金を守る一番の近道です。







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